灼熱のネバダ砂漠の一本道のルート50をT型フォードでL.Aから飛ばしてきた。
カリフォルニアからラスベガスを貫くアメリカで一番『孤独なフリーウェイ』と呼ばれる道だけあって辺りは砂漠が永遠に続くかのような乾いた風景だ。
まだ目的地のラスベガスまで3時間はかかる。
バカラで人生を賭けた大勝負をしに行くのだ。🎲
ギラギラと照りつける灼熱の太陽(夏)で喉がカラッカラだ。
2km前のビルボードで確認した店が見えてきた。
何にもないデザートロードにコロニアル風のBARレストランがまるで蜃気楼ようにそこにあった。
砂煙をあげてパーキングに車を入れた。
コンボイのトレーラーが1台停まっているだけだ。
俺はドアチャイムを”カランコロン”と鳴らして店内に入ると中はクーラーでキンキンに冷えていた。
客はトレーラーのドライバーらしき男だけだった。
俺はカウンターのストールに腰をドカッ下ろした。
カウンターの中の若いバーテンダーにフローズンダイキリ🍸をオーダーした。
オーナーの息子さんだろうか…
店内を見回すと入り口の横にジュークボックスが置いてあった。
俺は冷たいダイキリのグラスの氷をすすりながらそのジュークボックスに近づいた。
機械は1990年代の物だろうか…
しかし、曲は少し前のものばかりだ。
俺の好きな曲が目に留まり俺はジーンズのポケットに入れていたクォーターを1枚入れ”A-3″のボタンを押した。
レコードがまるでからくり細工のように引き出されアームが下ろされた。
レコードに針が落ちた瞬間、チリチリというノイズがした。
レコードに針が落とされ、イントロまでのほんの数秒にはいつも胸が踊る💓
お気に入りのその曲がカウンターの上に備えてあるJBLのスピーカーからガランとした広い店内に静かに流れてきた~♪
作:タピオカ 義男
https://youtu.b…
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