映画のタイトル“A Complete Unknown”は、❝ライク・ア・ローリング・ストーン❞の歌詞の1節。 まさに”名もなき者“だった若きディランが、この歴史に残る名曲✨️に至る迄の、師や恋人との出会い、激動の時代の中で羽ばたいていく姿を象徴する重要な1曲。
ミュージシャン物の映画🎦は、昨年の音楽ドキュメンタリー映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』以来だ。
【ストーリー】
1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが、フォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、彼の歌と神秘性が世界的なセンセーションを巻き起こしつつ、1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでが描かれる。
“フォーク界のプリンス”のディランを期待した大観衆を前に、わずか5日前に発表したばかりの新曲❝ライク・ア・ローリング・ストーン❞を、エレクトリックバンドとともに耳を突き破るような大音量🔊💥で放ったディラン。想像もしていなかったパフォーマンスに会場は歓声と絶叫が入り乱れ騒然‼️🥶あまりに突然の状況を受け入れきれないファンも数多くいたと伝えられているが、このステージこそがロックミュージックの在り方を決めた決定的瞬間‼️というべきだろう!🤔
火曜日においらは相棒と、この『名もなき者』を観に行った…て言うか、ボブ・ディランに会いに行った🤠。60年代は、音楽の多様化が一気に進んだ時代で、フォークソングやプロテストソング、ロック、ポップスなどさまざまな音楽が入り混じっていた時代。結論を言うと、音楽を愛するおいらにとっては、この映画🎦は、❝60年代の洋楽の発展期に立ち会えたような貴重な体験をさせてもらった❞という感想だ。
相棒は「途中で寝たらゴメンね!」と言っていたが寝てはいなかった。おそらく、映画に引き込まれていたんだろう🤔…ボブ・ディランなんて彼女にとっては興味もない、蚊帳の外の音楽家だから仕方がない。彼女はジャズ&フュージョンが好きな人だから…
舞台は60年代初頭。後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、ミネソタ出身で19歳の無名ミュージシャンだったボブ・ディランが、❝時代の寵児❞としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーション‼️を巻き起こしていく様子を描く。尊敬するウディ・ガスリーに会うためニューヨークまでヒッチハイクしてきた❝”名もなき若者”が、紆余曲折と試行錯誤の末に唯一無二のシンガーソングライター、ボブ・ディランへと成長していく…
あくまでもキャリア最初の5年間に的を絞ることで、ディランの芸術家としての本質に迫ろうとした作品。自身の音楽をカテゴライズすることも、されることも拒み、既存のフォークという枠に囚われず貪欲に吸収していくその姿勢に惹かれていった。
やはり最大の見どころは主演のティモシー・シャラメ。それこそディランが憑依したかのような佇まいや、その歌唱とギタープレイのパフォーマンスに驚かされた!(⑉⊙ȏ⊙) 後で調べると、世界がコロナ禍の中の5年間、❝ボブ・ディラン❞を研究し尽くしたらしい。それだけで彼の未来は、約束されたようなものだろう。とてもストイックな若き俳優なのだ。
どんな名優が、どう演じても文句が出るとしか思えない難役を見事に演じ切っている!『アカデミー賞主演男優賞🏆️あげてくれよぉ〰️‼️🥺』若きカリスマ俳優…くせ毛と深い緑の瞳、揺れるような独特の物腰に男と女も魅了される。そのボブ・ディランが憑依したかのような歌声にギター・テクニック…反逆児を想起させる緑の憂いを帯びた瞳の演技…素晴らしい!としか言いようがない!🤩
ただ、ティモシー・シャラメは、『君の名前で僕を呼んで』の作品と、この『名もなき者』で20代でアカデミー賞🏛️に、2度ノミネートされている。これは、ジェームス・ディーン以来70年ぶりらしい。それでも受賞を逃したのは納得がいかない。ティモシー・シャラメのディランにそっくりな声、歌い方、ギターをあれだけ弾けるようになった彼の努力を認めてあげて欲しかった🥵…
🎦『ボヘミアン・ラプソディ』でのフレディー・マーキュリー役、ラミ・マレック、🎦『ロケット・マン』のエルトン・ジョン役のタロン・エガートン、『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』の、ホイットニー・ヒューストン役のナオミ・アッキーも良かったけど、ティモシー・シャラメのボブ・ディランは最高だった!時間を追う毎に、どんどんディランに似てくるのだ。くるくるパーマのサングラス姿はまさに!おいらの知ってるディラン✨️だった。
その、ゾクッとする反逆的な瞳…は、真の音楽ファンや女性を虜にする。あの❝フォークの女王❞と呼ばれたジョーン・バエズでさえも…
お恥ずかしい話だけど、おいらはボブ・ディランとジョーン・バエズがそういう関係だったってことを全く知らなかった(*ノω・*)テヘ!そんなにもボブ・ディランに興味を持っていたわけでもないから…
❝ドンナ・ドンナ❞のバエズは男とそういうことにならない”気高い人”だと思ってた(*ノω・*)テヘ! 日本のフォーク・シンガーに例えると、森山良子みたいなSSWだしね。
才能のある男には男も女も群がる!それが本物の証明。ボブ・ディランは決して単純な反逆児ではない。それがこの映画🎦を観てよく分かった。全く悪いやつではない。音楽の革命を体現しただけなのだ。とはいえ、同棲している相手(シルヴィー)がいながら、ジョーン・バエズに手を出したり、そんなバエズの家に深夜に訪ねてギターを弾いて追い出されたり、恋愛の面でも奔放な面は否めない。スーパー・スターにしか許されないわがままな行為かも…
冒頭、まだ無名の青年だったディランが、敬愛するフォークシンガーのウディ・ガスリーがパーキンソン病で、入院している病院を訪れ、フォークという文化に再び命を吹き込むように曲を披露する。「ねえ、ガスリー!?あなたのために歌を作ったよ」と、言ってギターを奏で始める…その歌声に引き込まれる!ギターの弦を指で弾きながら、少し目線を外し、それでいてスクリーン越しにこちらを見つめるように歌うティモシー・シャラメの姿は、驚くほどボブ・ディランに似ていた。初めてディランの第一声の歌声を聴く、ピートとウディはどんなリアクションをするのか…ドキドキしながら観ていた🤠。「おいらは、ディランの凄さを知ってるぜ😎」みたいな(笑)
モニカ・バルバロのフォークの女王✨️ジョーン・バエズも素晴らしい!エドワード・ノートンのディランの後見人のような人格者、ピート・シガー、ボイド・ホルブルックのワイルドなジョニー・キャッシュ、突然現れた、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズのアル・クーパー達の共演者もみんな素晴らしい!
自分では作り得なかった ”人々と共有できる歌” をディランがあっさりモノにするのを見るピート・シーガーが、好きになった。心温かい人格者だ。そのシーンの曲がこの曲♬ しかし、エドワード・ノートンの演奏も素晴らしい!
ディランがピート・シーガーの家に泊まり、朝、起き抜けにギターを掴んで曲を作るところに「いい出だしじゃん」と、声をかけるピートの子供の感性も素敵だ!( ꈍᴗꈍ)その時に流れたのが❝Girl from the North Country〜北国の少女❞だった。
ボブ・ディランがスターダムに一気にのし上がる刹那に関係を持つ、ジョーン・バエズとシルヴィ゙ーの存在は大きい。ボブ・ディランは決して女性を弄んだわけではなく、二人とも愛していたんだろう。しかし、もう二人の手の中に収まらない程の男になってしまったって事だろう。あのフォークの女王でさえも…
音楽も町も走る車も人々も、60年代に引き戻された映画だ。60年代の空気感を感じられた町のセットも素晴らしい!ティモシー・シャラメが、アカデミー賞🏛️の主演男優賞🏆️を獲れなかったのがやはり残念すぎる✧\(>o<)ノ✧
『ボヘミアン・ラプソディ』『ロケット・マン』『ホイットニー・ヒューストン』のどれも良かったけど、おいらはこの『名もなき者』が一番良かった🤠と思う。
蛇足やけどディランがトライアンフのバイクに乗ってたことで、アルバム『追憶のハイウェイ61』のレコードJKTで、トライアンフのTシャツを着ていた事が解って腑に落ちた( ꈍᴗꈍ)
今年最初に観た映画🎦やけど、今年一番の映画🎦だろう!
ディランのアルバムで一番好きなJKTだ。隣は
かつてディランの恋人だったスーズ・ロトロ。
●1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルの最終日、7月25日夜にディランが歌った❝ライク・ア・ローリング・ストーン❞は、7月20日にシングル盤としてすでに発表されていた。7月24日にはチャートに初登場、9月2日には全米2位のヒット‼️となった。こうしてフォーク純粋主義者を遥かに凌駕する多くの聴衆が、ディランのエレクトリック演奏を支持したのだ。そしてディラン本人は、この年を最後にニューポート・フェスへの出演を取りやめ、2002年まで同フェスに出演することはなかった。
この画像は、その1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルの貴重なディランの演奏だ。
❝ライク・ア・ローリング・ストーン❞を含む3曲をエレクトリックなサウンドで演奏したのち、いちどステージ裏に引っ込んだディランが、再びアコースティック・ギター1本を手にステージに戻り、「すべては終わった、すぐに立ち去った方がいい」と説く❝イッツ・オールオーバー・ナウ・ベイビー・ブルー❞を歌ったことも、そのような批判への対応とされた。エレクトリック・ディランを認めることが出来ないファンに向ける別れのメッセージが、❝It’s All Over Now Baby Blue❞」だった。
劇中に流れるディランの曲は、限りなく多い。
ラストシーン、❝自由で公平で開かれた世界❞へ向かってバイクで走り去るディランだがその先に待っているものは…知らない人はディランがバイク死するのでは…と思うやろね。ディランの、バイク事故は有名だから。
敢えてラスト・シーンにケチをつけるなら、ウディ・ガスリーに別れを告げるために行った病院を後に颯爽とトライアンフを駆るシーン「俺は自由だからバイクに乗って旅立つぜ!」「バイクで走れば誰にも縛られずにどこにでも行けるんだぜ!」的なラスト・シーンは、少しチープだったかな?いや、違うな…後に起きる、ディランのバイク事故をも暗示していたのかも知れない🤔…
何故かそのシーンを観て、『個人教授』のベスパに乗ったルノー・ベルレーが恋人の元から去ってゆくシーンを思い出した。去る意味合いは全く違うけどね(*ノω・*)テヘ!
『俺は、風に吹かれて未来へ突っ走るぜ!』
⚠️下の動画はこの映画🎦を観てから改めて観て欲しい。メイキングと裏話だけど、とても重要なシーンが網羅されている。完全にネタバレ(*ノω・*)テヘ! これを観たらアカデミー賞主演男優賞は、ティモシー・シャラメだ!と、確信すると思うよ!🤠
劇中に流れる曲は全84曲もある。
❝風に吹かれて〜Blowin’ in the Wind)❞時代は変わる〜The Times They Are A-Changin’❞ ❝ライク・ア・ローリング・ストーン〜Like a Rolling Stone❞は、もちろんの事、84曲もの曲が流れる♬のは、ディランファンのみならず、60’sフォークやカントリーミュージック・ファンにはにはたまらない🤠
さて、ここまで読んでくれてる人は果たして何人いるのかな?🤔…映画の話は長々となってしまったけど、もう〆だ🤠!
『貴方は一体、何者ですか?(゜o゜;』
「忍びの者です」
『なにがやねん✧\(>o<)ノ✧!』
相棒が言っていたけど、ティモシー・シャラメと藤井風が何となく似てる…と言っていたが、確かに似てるかも知れない🤔…
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何ヶ月も前から観たいと思っている映画ですが、故有ってまだ観ていません。近いうちに観に行くつもりです。
Saichinがこんなに長くボブ・ディランの話を書くのだから、よほど良い映画なのでしょう。楽しみです。
「トリリオンゲーム」と「はたらく細胞」と「侍タイムスリッパー」は観に行ったのに、なんてこった!
"トリリオンゲーム"は、めめ主演やね。"はたらく細胞"は、メイ…相棒が観たがってた。そして、"名もなき者"シャラメ…ときたか!『メ』繋がりか…