編曲:ブライアン・ウィルソン/デニス・ウィルソン
アル・ジャーディン

編曲:ブライアン・ウィルソン
❝天才を一人挙げるとしたら、ブライアン・ウィルソンだ❞
by ジョージ・マーティン
ローリング・ストーン誌の選ぶ、オールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では6位にランクされている。第9回グラミー賞において最優秀ヴォーカル・グループ賞にノミネートされた。
著名なロック/ポップ音楽家であるブライアン・ウィルソン逝去の報が、世界🌐を駆け巡った。ソングライターにしてプロデューサー、シンガーにしてマルチ・インストゥルメンタリストである彼は、ビートルズと並び称される伝説的バンド、ビーチ・ボーイズ創設者のひとりであり、音楽面での実質的リーダーでもあった。
アメリカ🇺🇸時間の6月11日、公式ウェブサイトにて、ウィルソンの家族が訃報を発表した。82歳だった。その衝撃の深さ、大きさに、いま世界各地の音楽ファンはそれぞれに、打ちのめされている。ただの偶然なのかもしれないが、つい2日前のファンク音楽の伝説的アーティスト、スライ・ストーンの訃報が飛び込んできたところだ。

カリフォルニアの陽光🌞の、ブライアン・ウィルソンの影響力はとても大きいものだった。彼が生み出した数々の名曲🎶…そのなかでも、❝Good Vibrations〜グッド・ヴァイブレーション❞を挙げるべきだろう🤔…これは凄い曲で、米🇺🇸英🇬🇧で1位👑を獲得した大ヒット‼️・チューン🎶なんだけど、信じられないような複雑な曲だ。当時としては想像を絶する多重録音によって作り上げられたものだったからだ。
3分半の、ポップ・ソングとしては標準的な曲の長さやけど、この曲は❝ポケット・シンフォニー❞と呼ばれる構造を有していた。全6部構成で、転調も多く、パートごとに曲の雰囲気も変化していて、そのなかにだれも体験したことがないほどの創意工夫が詰め込まれているのだ。
通常のアルバム制作をはるかに超える費用がたった1曲のために費やされた。なぜならばブライアンは、様々な未完成の要素、断片的なアイデアをスタジオに持ち込み、それをモザイク状に組み上げていくという方法で❝作曲❞を試みたから、膨大な時間とコストがかかった。録音されたテープはなんと、延べ90時間。それがブライアンの”編集”によって、3分半に集約された過程で「レコーディングと作曲とアレンジ」を同時進行する考えかたは、当時は誰も考えもしなかったのだ。つまり、ブライアンが、ほとんど”神“の領域”に突入していった時期だった。
❝グッド・ヴァイブレーション❞の制作がスタートしたのは、ビーチ・ボーイズ11枚目のスタジオ・アルバムPET SOUNDSの準備がおこなわれていた時期だったが、あまりに時間がかかりすぎたため、アルバムには収録されなかった。
66年10月に発表されたPET SOUNDSは、まるでブライアンのソロ・アルバムのようにして作り上げられた。作詞家としてトニー・アッシャーを招聘し、❝レッキング・クルー❞と呼ばれるロサンゼルスの腕利きスタジオ・ミュージシャン集団も招いて、スタジオ作業に没頭した。このときのブライアンは、すでにツアーには参加しない状態になっていた(精神的重圧により、離脱したとされていた)
そして65年12月にリリースされた、ビートルズのLOVER SOULに大きく刺激され、自らも「ポップ音楽の新しい世界の扉」を開けようとし、完成したPET SOUNDSに刺激を受けたビートルズが、Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band(67年5月)を生み出したのは、有名な話だ。
作曲・編曲:ブライアン・ウィルソン
日本のポップスのOriginな2人…山下達郎と大瀧詠一は、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンに多大な影響を受けている。彼らが影響を受けたのは、特にビーチボーイズの楽曲の繊細なアレンジや、ユニークなヴォーカル・ハモリ、そして彼らの音楽的な探求心からだ。
特に達郎は、ビーチボーイズの楽曲から影響を受け、自身の作品にもそれを反映させている。ビーチボーイズのカヴァーは、ヴォーカルに力と繊細さがないと歌えるものではない。だからほとんどカヴァーが存在しない。ヴォーカルが素晴らしい達郎は、数多くのカヴァーを残している。美しい声を持っていないと、歌ってはならない楽曲なのだ。
ビーチボーイズは、1962年から1965年頃まで、サーフィン・ロックやホットロッドをテーマにした楽曲を発表し、1966年のアルバム『ペット・サウンズ』から、ブライアン・ウィルソンが自己の内面と向き合った、アート志向の音楽へと転換していった。。
ブライアン・ウィルソンは生涯で200曲以上を作曲し、20枚を超えるアルバムを録音。グラミー賞に9回ノミネートされ2回受賞🏆️。88年にロックの殿堂入り、2000年に作曲家の殿堂入りを果たすなど、その功績は音楽史に永遠に刻まれている。
ブライアン・ウィルソンの波乱万丈な人生は、15年の伝記映画🎦ラブ&マーシー〜終わらないメロディーで描かれた。1960年代の若きウィルソンをポール・ダノ、80年代の年長期をジョン・キューザック(おいらの好きな俳優)が演じ、本人公認のもと製作された同作品は、天才作曲家の光と影を丁寧に描写している。
2022年には初の密着ドキュメンタリー🎦ブライアン・ウィルソン〜約束の旅路が公開され、ブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、ニック・ジョナスら音楽界の著名人が出演。3年間の撮影期間を経て完成した同作品では、ジム・ジェームス(マイ・モーニング・ジャケット)との共作による新曲❝Right Where I Belong❞も収録されている。


1️⃣ Like a Rolling Stone:ボブ・ディラン
2️⃣ (I Can’t Get No) Satisfaction:ローリング・ストーンズ
3️⃣ Imagine:ジョン・レノン
4️⃣ What’s Going On:マーヴィン・ゲイ
5️⃣ Respect:アレサ・フランクリン
6️⃣ Good Vibrations:ビーチ・ボーイズ
7️⃣ Johnny B. Goode:チャック・ベリー
8️⃣ Hey Jude:ビートルズ
9️⃣ Smells Like Teen Spirit:ニルヴァーナ
🔟 What’d I Say:レイ・チャールズ